不動産売却

【使わなければ損します】不動産売却時の譲渡所得税3000万円控除について解説!

不動産売却をしていく上で、どうしても気になるのが譲渡所得税ではないでしょうか。

売却によって出た利益に対して、最大で約40%も徴収されてしまいます。

しかし、「居住用不動産売却時の特例」として、ある一定の要件を満たすことで、課税対象額から大幅に控除することができます。

本記事では、居住用不動産売却時の特例について詳しく解説をしていきます。

※前半では譲渡所得税について解説をしているため、ご存知の方は目次から読みたい箇所へ飛んでください。

不動産譲渡所得税について

不動産譲渡所得税について解説していきます。

まず、譲渡所得税は「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」の2種類に分けられます。

短期譲渡所得:所有期間が5年以下での売却

長期譲渡所得:所有期間が5年を超えての売却

以上のように区分されます。

そして、この2種類は何が違うのかというと、税率が違います。

短期譲渡所得 長期譲渡所得
所得税 30% 15%
住民税 9% 5%

簡単な表ですが、税率はこのように違っています。短期と長期では税率にほぼ2倍の差があることが分かると思います。

これは、利益目的不動産を買って転売する方などからは多くの税金を取ろうという考えかもしれませんね。

ちなみに相続で不動産を取得した場合、前所有者(被相続人)から所有期間は引き継げます。

前所有者が10年所有していた不動産を相続し、5年が経過した場合、相続人の所有期間は前所有者の分も含めて15年になります。

不動産譲渡所得税の計算方法について

それぞれの税率が分かったところで、次は計算方法です。

課税譲渡所得金額=譲渡価格-取得費用-譲渡費用-特別控除

税額=課税譲渡所得金額×税率

以上のような式で計算をします。

それではそれぞれの項目を見ていきましよう。

譲渡価格

これは不動産を売却した価格です。3000万円で売れたら、譲渡価格は3000万円になります。

取得費用

これは不動産を取得した時に要した費用です。

売却した不動産が元々は購入したものであるなら、購入した際の価格や当時の仲介手数料などの費用を取得費用として、課税譲渡所得金額から引くことができます。

ただし、購入価格や仲介手数料の確認として、当時の契約書や領収書を提出する必要があります。

当時の契約書や領収書が残っていない場合や、先祖から相続によって引き継がれてきた不動産である場合は、取得費不明として、譲渡価格の5%を取得費用として計上します。

譲渡費用

これは不動産売却時にかかった費用です。

仲介手数料や測量費、解体費などが含まれます。これも取得費用と同様に、課税譲渡所得金額から引くことができます。

特別控除

今回解説する相続した空き家の特例などを指します。その他にも、自分が居住していた不動産を売却した場合の3000万円控除などがあります。

計算の例

それでは、不動産譲渡所得の計算をしてみましょう。

〇条件

所有期間:8年

譲渡価格:3000万円

取得費用:不明(3000万円×5%=150万円)

譲渡費用:150万円(測量費用:44万円 仲介手数料:105万円 印紙代:1万円)

特別控除:なし

〇計算

3000万円(譲渡価格)-150万円(取得費用)-150万円(譲渡費用)

=2700万円(課税譲渡所得金額)

2700万円(課税譲渡所得金額)×20%(長期譲渡所得による税率)

540万円(長期譲渡所得による税額)

以上のような計算になります。長期譲渡所得を使えても意外と税額が多くなってしまいますね。

それでは、いよいよ相続した空き家売却時の特例について見ていきましょう。

居住用不動産売却時の特例について

この特例は、今まで住んでいた不動産を売却する際に使うことができるものです。

要件を満たせば、課税譲渡所得金額から3000万円を控除できるという、非常に心強い特例になっています。

具体的な要件としては以下の通りなります。

・自らが居住していたこと

・居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却すること

・家屋を解体した場合は、上記期限の範囲内で、解体した日から1年以内にその土地の売買契約を締結すること

・不動産を譲渡する相手が、自身の配偶者や親・子など直系血族、生計を一にする親族、同族会社等でないこと

このような要件になります。

少し要件が多いですが、重要な点は、

「自らが住んでいた不動産であること」

「居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却すること」

「家屋を解体した場合は、上記期限の範囲内で、解体した日から1年以内にその土地の売買契約を締結すること」

以上の3点です。

自らが住んでいた不動産であること

その家屋に住んでいたかどうかは基本的には住民票で判断をされます。

また、数年前から老人ホーム等に入所をしていて空き家になっていた場合ですが、療養のために一時的に病院や施設に入っており、いずれ戻る予定という場合は、3000万円控除の対象となります。

居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却すること

あくまでも居住用不動産売却時の特例のため、居住をしなくなってから一定の期間を過ぎると適用ができなくなってしまいます。

令和1年4月1日に居住をしなくなった場合

令和4年の12月31日までに売却をすることで、特例の適用が可能

売却を考えてからすぐに売れるというわけではないため、この特例を適用したい場合は、なるべく早く不動産会社に相談をするとよいでしょう。

不動産売却の流れや全体像などがイメージできていないという方は、以下の記事を参考にしてみて下さい。

https://commu-life.com/2019/12/07/%e4%b8%8d%e5%8b%95%e7%94%a3%e5%a3%b2%e5%8d%b4%e3%81%ae%e6%96%b9%e6%b3%95%e3%81%a8%e6%b5%81%e3%82%8c%e3%82%92%e8%a7%a3%e8%aa%ac%ef%bc%81/

家屋を解体した場合は、上記期限の範囲内で、解体した日から1年以内にその土地の売買契約を締結すること

居住していた家屋を解体した場合は、「居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末まで」という期限の範囲内で、解体してから1年以内に売却をする必要があります。

ただし、ご自身で解体をされない限り、不動産会社を通しての契約の場合、解体については、売買契約が決まってから行うことが多いため、あまり心配はいらないかもしれません。

売却方法について

特例を適用するための要件について見てきました。では、どのように売却をすればよいのでしょうか。

中古住宅としての売却・家屋を解体して更地にした状態で売却の2種類になります。

どちらの条件で売却をするかは、不動産会社に相談をしてみることをお勧めします。理由としては、周辺の相場や現在の競合物件、家屋の築年数などの情報から、どちらの条件で売却すれば高く売れるかを提案してくれるからです。

不動産屋として正直なことを言うと、新耐震基準に適合していない築年数の古い家屋(昭和56年5月31日以前に建築された家屋)は買い手が付きにくく、売却価格も期待できないです。

そのため、解体して更地として売却をしたほうが、手元に残る金額は多くなることがほとんどではないかと思います。

ただし、非常に立派な家屋であったり、どうしても思い出のある家屋を壊したくないという場合は、耐震工事をしたうえで家屋付きで売却をしていくのも良いでしょう。

計算の例

それでは、居住用不動産売却時の特例を使った税額計算をしてみましょう。

比較ができるように、先ほどの譲渡所得税の計算例と同じ条件で計算をしてみます。

〇条件

所有期間:8年

譲渡価格:3000万円

取得費用:不明(3000万円×5%=150万円)

譲渡費用:150万円(測量費用:44万円 仲介手数料:105万円 印紙代:1万円)

特別控除:居住用不動産売却時の3000万円控除

〇計算

3000万円(譲渡価格)-150万円(取得費用)-150万円(譲渡費用)-3000万円(特例)

=0円(課税譲渡所得金額)

0円(課税譲渡所得金額)×20%(長期譲渡所得による税率)

0円(長期譲渡所得による税額)

先ほどの特例を使わない計算では540万円あった税額が、特例を使うことによって0円となりました。

使うには要件を満たす必要がありますが、このように恩恵の大きい特例ですので、売却時にはぜひ活用してみて下さい。

要件を満たしているかわからない、そもそも売却ができるか分からないという場合は、一度不動産会社に相談をしてみましょう。

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不動産売却についての全体像や流れがイメージできていないという方は、以下の記事を参考にしてみて下さい。

https://commu-life.com/2019/12/07/%e4%b8%8d%e5%8b%95%e7%94%a3%e5%a3%b2%e5%8d%b4%e3%81%ae%e6%96%b9%e6%b3%95%e3%81%a8%e6%b5%81%e3%82%8c%e3%82%92%e8%a7%a3%e8%aa%ac%ef%bc%81/